「まだ半分しか完成してないって、言っていたな。
期限までは、十分時間があるけど、
心配だから、手伝ってあげて。
期限までにできなかったら、かわいそうでしょ?」
悪意があるとは、表現しませんが、
相手のことを、大切に思う気持ちが強いと、
心配して、干渉、介入、援助をしたくなります。
では、心配することとは何でしょうか?
それは、
- 深い愛情で包み込むこと。
- 信頼して任せることを拒絶している。
です。
それでは、
古代ローマの詩人、オウィディウスの言葉と一緒に、
「心配」について解き明かします。
1 古代ローマの詩人、オウィディウスは、『変身物語』の中で述べています。
もう地表に近づいているあたりだったが、
妻の力が尽きはしないかと、
オルペウスは心配になった。
そうなると、無性に見たくなる。
愛がそうさせたということになるが、
とうとう、うしろを振り返った。
『世界名言集』 岩波書店
2002年 226ページより引用
2 深い愛情で包み込むこと。
心配することは、相手の全てを包み込むことです。
なぜなら、深い愛情が、自分から離れないで、
自分の近くにいて欲しいと、熱望するからです。
愛情の深さによって、
相手を囲い込む強度が異なります。
愛情が深いほど、相手を強く、長く、
激しく引き寄せます。
心配は、相手の行動と一体で存在します。
3 信頼して任せることを拒絶している。
心配は、相手が自立することを嫌います。
なぜなら、相手に任せてしまうと、
自分の影響力が減ってしまうからです。
相手が自らの判断ですることを信用せず、
自分のやり方を提供し続けます。
相手の行動を、いつも疑いの目で見ていて、
相手を信頼して任せることを拒絶します。
心配することは、自分の影響力を維持させたい、
強い意志です。
4 心配のまとめ
オウィディウスの言葉と一緒に、
「心配」について解き明かしました。
心配とは、
- 深い愛情で包み込むこと。
- 信頼して任せることを拒絶している。
です。
幸福な気持ちが、私達の心に、
やすらぎを与えますように。