過去を見つめることから、生まれる悲しみは、心を傷つける。

「中学生の時、学校へ行かなくなった、

行けなくなった、行きたくなかった。

悲しかったな。

周りに人がいるのに、誰もいない。

声は聞こえるけど、姿が見えない。

朝が来るのを、避けていたな。嫌だったな。」

 

なかなか寝付けない時、過去の悲しみが、

昨日のことのように、鮮明によみがえります。

では、過去を見つめることから生まれる

悲しみとは何でしょうか?

 

それは、

  • 忘れられないしつこさがある。
  • 治りかけようとしている、心の傷口を悪化させる。

です。

 

それでは、

フランスの哲学者、アランの言葉と一緒に、

悲しみ」について解き明かします。

 

1   フランスの哲学者、アランは、『幸福論』のなかで、悲しみについて述べています。

過去を見つめることから生まれるあの悲しみは

何の役にも立たない。

それどころか、きわめて有害なものだ。

なぜなら、それは無益な反省を求め、

無益な探求を強いるからである。

 

アラン著 神谷幹夫訳 『幸福論』

岩波書店 1998年 192ページより引用

 

2   忘れられないしつこさがある。

過去の出来事から生まれる悲しみは、

忘れられないしつこさがあります。

なぜなら、悲しみの大きさが、小さくなっても、

決してなくならないからです。

 

悲しみを覚えていても、

役に立たないことを知っているのに、

悲しみが、今どうなっているのか、

悲しみの存在を確認してしまいます。

 

悲しみは、

いつまでも心の中で住んでいます。

 

3   治りかけようとしている、心の傷口を悪化させる。

過去を見つめることから思い出す悲しみは、

治りかけようとしている心の傷口を

悪化させてしまいます。

 

なぜなら、悲しみの原因をつくってしまったことを

反省し、自分のことを責めだすからです。

 

心の傷を治すのには、多くの時間が必要です。

ところが、悲しみへの反省が、心に届くスピードは、

まばたきをするより速いです。

そのため、傷ついている心を、さらに傷つけます。

 

悲しみへの反省は、心を傷つけるだけです。

 

4   悲しみのまとめ

アランの言葉と一緒に、

悲しみ」について解き明かしました。

 

悲しみとは、

  • 忘れられないしつこさがある。
  • 治りかけようとしている、心の傷口を悪化させる。

です。

 

幸福な気持ちが、私達の心に、

やすらぎを与えますように。